空は青く、ポストは赤く、今日も推しはかわいい
推しメン高山一実ちゃんの2nd写真集「独白」が、今週2/26に世の中に無事送り出されました。おめでとう。
写真集の感想、というのは難しい。
推しの写真集で「推しがかわいい」なんて「写真集は紙で出来てました」くらい当たり前のことすぎて何のパワーもない。
なので今回は意識してちゃんと文章にしてみようかなと思い、こうしてブログを書いてみる。
乃木坂ちゃんを好きになって、そしてヲタクツイッターをするようになって、「言葉」が好きだと感じる機会が増えた。
楽曲たちが持つ、強く、そしてなぜか他のどんな言葉にも代替のきかない歌詞が好きだ。
ヲタクたちが日々のあれこれに一喜一憂して、推しに愛を捧げたり悲しみにくれたりしながらツイッターに吐き出す文学が好きだ。
そしてなにより乃木坂ちゃんたちがブログで、モバメで、そしてステージの上で、ヲタクにくれる魔法のような言葉たちが大好きだ。
写真集の話をするといって始めたにもかかわらず、なぜそんなことをつらつら書いているかというと、わたしがこの写真集で一番惹かれたのもまた「言葉」だったからだ。
この写真集、付録にポラロイドで撮影したショットを集めた小冊子(いまどきはこういうのをZINEというらしい)がついており、1枚1枚高山さんの直筆でコメントが寄せられている。
こんな感じ。
写真集の撮影が行われたのは、高山さんが初の著書「トラペジウム」の執筆をすべて終えた直後だったらしい。
このZINEには、そんなふうに小説を書き終えた瞬間の彼女の、繊細で敏感で鮮やかな「言葉選びのセンス」がきらきら光っている。
写真集本編の裏側を窺い知れるのと同時に、このZINEそのものが一篇の旅行記のようだった。
やや太めのペン先を少し持て余すように綴られた言葉たちは、決して多くはない。
場合によっては撮影日しか記載されていないショットもある。
ときには写真の中までびっしり書き込まれたショットもある。
満面の笑顔の下に記された「さみしい」という言葉。
温厚で何かを否定することを(おそらく意識的に)あまりしない彼女がポラロイドに書いた「嫌い」という言葉。
水着姿を撮影されることに対してちょっとだけ覗かせてくれる本心。
言葉の緩急は激しく、たった一言の奥行きが底知れぬほど深い。
その美しい景色を前に、どうしてその言葉を選んだのか?そのとき何を考えていたのか?
気づけばどんどん彼女の思考が気になって仕方なくなっている自分に気づかされるのである。
恋かもしれない・・・(1st写真集「恋かもしれない」も最高の名写真集なのでぜひ読んでみてください)
高山一実ちゃんも、アイドルの言葉が持つパワーを知っている人だ、と思う。
どんなにしゃらくさい綺麗事も、推しに言われたなら信じられるという瞬間があることを、理屈ではなく知っている人だ。(と、断言してしまうのはちょっと怖いのですが、あくまでわたしの解釈として)
けれどここでは、フィンランドの地へ1人で飛び、例えば「グループの今後」とか「グループの中の自分の立ち位置」とか、そういう「語るべき言葉」たちから切り離された、高山さんの感性そのものに触れられたような気がして、わたしはうれしかった。
高山一実ちゃんの「独白」。知っている顔もあれば知らない顔もあった。わらっている顔に安心して、何かに向ける慈愛の表情に胸が熱くなって、感情が120%まるごと現れたようなくしゃくしゃ顔を見てはその表情を生で間近で実際に目の当たりにできるひとへの羨ましさと嫉妬が募った
— まき (@sinkin_ship) 2019年2月26日
気づけば付録小冊子(ZINEです)の感想が大半を占めてしまっていたけれど、この、高山さんの言葉にぐるんぐるん振り回されるような感覚が、写真集本編にもしっかり生きていた。
テレビの中で見たことがある笑顔だ!と思っていたら次のページでは1ショットの中で壮大な物語の一部になっていたりとか、たったひとりで何かを見つめる切なそうな表情に胸が締め付けられたかと思えば次のページでは人に囲まれてくしゃくしゃに笑っていたりとか、・・・あ~底知れないな!!と思った。幸せだった。
たくさんの人に囲まれているけど本質的には一人でいる人というか、最終的に人間の根っこは独りだということを分かっている人、というのがわたしのたかやまさんのイメージでもあるので、確かに「独白」はしっくりくるんだよな。文学的な言葉でもあるし、アプローチとしては「intermission」的で好きだな pic.twitter.com/Vtaec3OOzt
— まき (@sinkin_ship) 2019年2月9日
物憂げな表情や、カメラから視線を外しているときのやさしい笑顔に、「今何を考えているんだろうな・・・」と焦がれてしまうのがヲタクなのかもしれない。これからもそんなふうに、わたしたちに色んな表情を見せてほしい。ドキドキしたりハラハラしたりニコニコしたい。
すみません、やっぱり結論は「推しがかわいい」になってしまうようです・・・
そしてそしてなんと写真集「独白」の発売と同タイミングで、著書「トラペジウム」の累計発行20万部を記念した「高山一実記念館」なるイベントの開催が発表された。
高山一実記念館、何度聞いても響きがやばい・・・まさか推しが生きてるうちに「記念館」になる日が来るとは夢にも思わなかった。
すごいや pic.twitter.com/nYkEjJwNvr
— まき (@sinkin_ship) 2019年2月27日
たった3か月のインターバルで、「小説」と「写真集」という全く異なるふたつのコンテンツをこの世に送り出すの、本当にすごい。
乃木坂46の現役アイドルとして上梓し、特典無しの一形態で有無を言わせぬベストセラーとなった「トラペジウム」は、間違いなく彼女が今後アイドルとして戦っていくうえでこの上ない武器だ。たくさんの人たちと「文学」との間に架け橋を築くアイドル、最高にカッコいい。
そしてちょうど同じ時期に発売された2nd写真集「独白」で、今度は今この世界に存在するアイドルの一人である「乃木坂46の高山一実ちゃん」の、ぎゅうぎゅうに詰まっているたくさんの魅力が届いたらいいなと思う。
「トラペジウム」という名の剣と「独白」という名の盾を手に、あなたが進む道の先にたくさんの幸せや夢がかなう瞬間が待っていることを、今日もヲタクは願っています。